じゃがいもと調味料だけで作れる「じゃがいもガレット」は、家飲みの強い味方です。しかし、毎回塩コショウだけの味付けでは飽きてしまったり、時には「中が生焼けだった」「バラバラに崩れてしまった」という失敗を経験したりすることもあるのではないでしょうか。
この記事では、基本の「カリッ」と焼くプロのテクニックから、ビール・ワイン・日本酒それぞれに合う絶品アレンジレシピまでを網羅しました。今夜のおつまみ選びに、ぜひお役立てください。
1. 基本のキ:おつまみガレットを「カリッ」と仕上げるコツ
アレンジを楽しむ前に、まずは土台となるガレットを完璧に焼き上げる技術を押さえましょう。ここをマスターすれば、どんな具材を混ぜても失敗知らずです。
1-1. 水にさらす?さらさない?デンプンの扱い方
じゃがいも料理の基本として「水にさらしてアクを抜く」と教わることが多いですが、ガレットの場合は「水にさらさない」のが正解です。
じゃがいもに含まれるデンプン質は、加熱されると糊状になり、千切りにしたじゃがいも同士をくっつける「天然の接着剤」の役割を果たします。水で洗うとこのデンプンが流れてしまい、焼いている最中にバラバラになる原因となってしまうのです。皮をむいたらすぐに千切りにし、ボウルに入れたらすぐに調味料や具材と混ぜ合わせましょう。
1-2. つなぎなしでもバラバラにならない焼き方のポイント
小麦粉や片栗粉などの「つなぎ」を使わずに作る場合、フライパンに入れてからの「プレス(押し付け)」が重要になります。
フライパンに生地を広げたら、フライ返しで上からギュッギュッと強めに押し付けてください。じゃがいも同士の隙間をなくし密着させることで、熱が伝わりやすくなり、一体感が生まれます。焼いている最中に何度も触りたくなりますが、底面が固まるまでは我慢しましょう。触りすぎないことが、きれいな円形に仕上げる秘訣と言えます。
1-3. 外はカリカリ、中はホクホクにする火加減と油の量
理想的な食感を生むには、「多めの油」と「じっくり加熱」が必要です。
油はフライパンの底全体に行き渡るよう、少し多めに入れてください。火加減は中火から弱火の中間をキープします。強火で一気に焼くと表面だけ焦げて中が生焼けになりがちです。じっくりと火を通し、縁が茶色く色づいてきたら裏返しのサイン。仕上げに強火にして水分を飛ばすと、冷めてもベチャッとなりにくい、お店のようなカリカリ食感が完成します。
参考URL:じゃがいもガレットの基本レシピ(クックパッド)
2. ビールが止まらない!ガッツリ系アレンジ
仕事終わりの冷えたビールには、塩気と脂の旨味が効いたパンチのあるガレットがよく合います。男性や食べ盛りのお子様にも喜ばれるラインナップです。
2-1. 王道の最強コンビ:ベーコン×チーズ×黒胡椒
誰もが好きな間違いのない組み合わせです。細切りにしたベーコンをじゃがいもと一緒に混ぜ込んで焼き上げます。
ポイントは、仕上げに「追いチーズ」をすること。片面を焼いた後、裏返してからチーズを乗せて溶かすと、とろりとした食感とカリカリのじゃがいものコントラストが楽しめます。最後に粗挽きの黒胡椒をたっぷり振れば、スパイシーな香りがビールの喉越しをさらに良くしてくれるでしょう。
2-2. 男子も喜ぶスパイシー味:カレー粉×コンビーフ
いつものガレットが一気にメインディッシュ級の迫力に変わるのが、コンビーフを使ったアレンジです。
コンビーフ自体に塩分と脂が含まれているため、味付けの塩は控えめにし、代わりにカレー粉を小さじ1程度混ぜ込みます。コンビーフの繊維がじゃがいもに絡みつき、つなぎの役割も補強してくれるため、崩れにくいというメリットもあります。スパイシーな香りがキッチンに漂えば、食欲をそそること間違いありません。
2-3. ドイツ風おつまみ:ソーセージ×ザワークラウト(またはキャベツ)
ドイツの定番料理「ジャーマンポテト」のような構成ですが、ガレットにすることでより香ばしさが増します。
薄切りにしたソーセージを混ぜて焼くのが基本ですが、ここに刻んだザワークラウト(酢漬けキャベツ)や、なければ普通のキャベツを少量混ぜてみてください。酸味と野菜の甘みが加わり、油っこさを程よく中和してくれます。ソーセージのプリッとした食感もアクセントになり、飽きのこない味わいです。
3. ワインでおしゃれに。洋風・バル風アレンジ
週末の夜、ワイングラスを傾けながら楽しみたい時は、見た目も華やかなアレンジがおすすめです。パーティーの前菜としても活躍します。
3-1. 白ワイン・スパークリングに:スモークサーモン×ディル×クリームチーズ
こちらは「後のせ」スタイルで楽しみます。基本の塩味のガレットをカリッと焼き上げ、少し粗熱が取れてからスモークサーモンとクリームチーズをトッピングしましょう。
ハーブの「ディル」を添えると、一気に本格的なフレンチバルのような一皿になります。温かいじゃがいもと、冷たいサーモンの温度差も美味しさの一部です。キリッと冷やした白ワインやスパークリングワインとのマリアージュをご堪能ください。
3-2. 赤ワインに合う濃厚さ:ブルーチーズ×はちみつ
クセのある食材も、じゃがいもの素朴な味わいが優しく受け止めてくれます。
生地の中にブルーチーズをちぎって混ぜ込み、こんがりと焼き上げます。仕上げにはちみつをたらりとかけて完成です。ブルーチーズの強烈な塩気とはちみつの甘さが混ざり合い、複雑で濃厚な味わいを生み出します。重めの赤ワインに負けない、大人のためのおつまみと言えるでしょう。
3-3. 見た目も豪華なビスマルク風:生ハム×半熟卵
イタリアンピッツァ「ビスマルク」をイメージした一品です。
ガレットが焼き上がる直前に中央に卵を割り入れ、蓋をして半熟状に蒸し焼きにします。お皿に盛り付けてから生ハムを添えれば、見た目も豪華な一皿の出来上がり。食べる直前に黄身を崩し、じゃがいもと生ハムに絡めながらいただくと、至福のコクが口いっぱいに広がります。
4. 日本酒・焼酎に合う!和風「和レット」アレンジ
ガレットは洋風料理だと思われがちですが、実は和の食材とも相性抜群です。「和レット(和風ガレット)」として、晩酌のレパートリーに加えましょう。
4-1. 磯の香りが食欲をそそる:しらす×青のり×ごま油
焼く時の油をオリーブオイルやバターから「ごま油」に変えるだけで、風味が一変します。
具材には釜揚げしらすと青のりをたっぷりと混ぜ込みましょう。しらすの程よい塩気と、熱せられた青のりの磯の香りがたまりません。カリカリになったしらすの食感も楽しく、キリッとした冷酒や米焼酎のお供に最適です。醤油を数滴垂らして香ばしさをプラスするのも良いでしょう。
4-2. ピリ辛でお酒が進む:明太子×大葉×マヨネーズ
居酒屋の人気メニューのような味わいを自宅で再現します。ほぐした明太子とマヨネーズを和え、じゃがいもに混ぜて焼いてください。
マヨネーズが油分とコクを補い、さらに全体をまとめやすくしてくれます。焼き上がりに千切りにした大葉(シソ)をたっぷり乗せれば、濃厚な明太マヨ味をさっぱりと引き締め、いくらでも食べられるバランスに。焼酎の水割りやハイボールが進むこと請け合いです。
4-3. 旨味の相乗効果:塩昆布×桜えび×ピザ用チーズ
包丁いらずで旨味たっぷりに仕上がるのがこの組み合わせ。塩昆布のグルタミン酸と桜えびの香ばしさが、じゃがいもに染み渡ります。
これらは焦げやすい具材なので、弱火でじっくり焼くのがコツです。つなぎとしてピザ用チーズを少量混ぜると、塩昆布とじゃがいもがしっかり結着し、ひっくり返すのも楽になります。調味料を一切足さなくても素材の味だけで十分美味しい、滋味深いおつまみです。
5. 失敗なし!プロが教えるガレットの裏技と時短テク
「ひっくり返す時に崩れるのが怖い」「もっと早く作りたい」という方のために、プロも実践するちょっとした裏技をご紹介します。
5-1. ひっくり返すのが怖い時の「お皿活用術」
大きなガレットを一気にフライ返しで裏返すのは、慣れていないと難しいものです。そんな時は無理をせず「お皿」を使いましょう。
フライパンと同じくらいのサイズのお皿をかぶせ、フライパンごとひっくり返して一度お皿にガレットを取り出します。その後、空いたフライパンにスライドさせるように戻し入れれば、形を崩さずに裏面を焼くことができます。油が垂れることがあるので、火傷には十分注意してください。
5-2. 忙しい日の味方!スライサー活用と電子レンジでの予熱テクニック
千切りが面倒な時は、スライサー(千切り器)を活用しましょう。均一な太さになるため火の通りも均等になり、食感も良くなります。
また、時短したい場合は、千切りにしたじゃがいもを耐熱容器に入れ、電子レンジ(600W)で2〜3分ほど加熱してから焼くのがおすすめです。中まで火が通っているか心配する必要がなくなり、表面に焼き目をつけるだけで完成するため、調理時間を大幅に短縮できます。
5-3. 作りすぎてしまった時のリメイクアイデア
もしガレットが余ってしまっても、捨てないでください。翌日は別の料理として生まれ変わらせることができます。
トースターで温め直せばカリカリ感が復活しますが、おすすめは「グラタン」へのリメイクです。耐熱皿にガレットを敷き詰め、ホワイトソース(または牛乳とチーズ)をかけて焼くだけ。じゃがいもがソースを吸ってトロトロになり、前日とは全く違う美味しさを楽しめます。

コメント